2010年8月31日火曜日

「児童ポルノ規制」でコメント(共同通信/児童ポルノ禁止法改正)

共同通信の「争論」という欄で、「児童ポルノ規制」に関するインタビューにお答えした。

下記のポイントについて、Q&A形式で解説している:

・児童ポルノの現状
・漫画やアニメの影響
・「表現の自由」との兼ね合い
・テレビや新聞の報じ方

コメントの要旨はこちら(追記: 2022年6月21日公開)↓

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【性犯罪要因 つぶす必要】

-規制強化論の背景に「日本は児童ポルノ大国」という国際的批判がある。

「日本発の児童ポルノは海外で非常に人気がある。日本製は女性を従属させる暴力的なストーリーが多く、男性に優越感を与える。海外は女性の立場が強いせいか、そういうものが少ない」 

「児童ポルノ関係の国内の事件摘発数は毎年、増え、過去最多を更新している」

-犯罪との関係は。

「児童買春など性犯罪に至る人は、人間関係のストレスや家庭環境などいろんな要因があって、不満のはけ口として子どもに手を出す。児童ポルノは犯行のきっかけ、手口のヒント、最後の引き金など、少なくとも一因になる。見なければ全くなくなるとは言えないが、要因は一つ一つ、つぶしていかなければ」

「複数の大学で学生にアンケートやインタビューをして、メディアの性情報の影響を調べているが、子ども時代からかなり振り回されている。ある男子学生は中3のとき、交際する彼女と強引に性交した。漫画で、女の子が口では拒否してもだんだん喜ぶというパターンが多かったからだという。女の子が家に来たら迫ってもOKだと信じている男子も多く、それによる女子の被害も後を絶たない」

-漫画やアニメ、ゲームの影響は大きいのか。

「実写ならそうはいかないが、漫画やアニメは性被害を受けて喜んでいる子どもを描く。子どもの方が望み、受け入れているという描き方ができる。罪悪感がなくなる。また、漫画やアニメは子どもに身近な娯楽で、価格も安い。情報源としての比重が大きい」

「ゲームでは、自分が主人公になるようなものが影響が大きい。美少女ゲームなどで女の子がどう反応するか見て、現実の女性も同じだと思い込んでしまったりする」

-表現の自由を侵す恐れがある。現状の規制では不十分なのか。

「わたしも番組を作っていた立場なので表現の自由は守りたい。だが、凌辱ものや鬼畜ものなど、力によって相手をねじ伏せる描写を野放しにしていいのか。表現の自由の保障を超えている」

「性表現のマーケットは利害関係者が多い。生半可なやり方では止まらない。実際、これまでの規制では止まっていない」

-新聞やテレビの扱い方をどう見るか

「新聞社は論調にばらつきがあるが、やや規制反対に偏っている印象を受ける。表現の自由の危機であるという視点にこだわりすぎ、とりあえず反対しておこうというトーンにみえる」

「テレビでは最近、子どもを責めるような報道があった。子どもが自らの意思で自分の裸の写真を売ったり、体を売ったりしている。これはけしからんと。買う大人の問題に焦点を当てていない。この問題は、わたしたち大人の問題であることを明確にするべきだ」

(2010年9月1日、「どうする児童ポルノ規制」『共同通信 争論』)

2010年8月25日水曜日

韓国の有害サイト対策とネット・リテラシー教育

Cimg0021昨秋に引き続き、2度目の韓国訪問。
有害サイト対策とネット・リテラシー教育について
調査するためである。



まずは「韓国インターネット自律政策機構」へ。
国内の大手ポータルサイト企業等で形成する
自主規制機関だ。
韓国には既に、政府系のネット規制機関が存在する。
これに対し、民間の自主規制機関は、
政府の介入をけん制する目的で作られたという。
主なポータルサイト企業は全て会員になっているので、
有害と判断した場合の影響力は大きい。



日本にも民間の自主規制団体としてEMAがあるが、
「フィルタリングの対象にするか否か」の判断が
焦点となっている。
これでは、フィルタリングを利用していない者は
相変わらず有害サイトにアクセス出来てしまう。
フィルタリングとは切り離して有害性を判断する
自主規制機関が必要だ。



続いて「韓国インターネット振興院」へ。
ネット・リテラシー教育を手掛ける政府系機関である。
韓国では3歳~6歳の子どもの既に約70%が
ネットを利用しているため、
保育園や幼稚園でのネット教育を検討中とのこと。



小中学生向けへのネット・リテラシー教育については、
教材を見せてもらった。
個人情報保護や著作権などのテーマ別に何冊にも分かれ、
実際のコンテンツ制作と連動させた
非常に充実した内容である。
日本のネット教育にも参考になるだろう。



ところで冒頭の画像は
仁川空港の女子トイレ個室にて。
韓国にも「音消し」機能があるんですねえ。



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2010年8月11日水曜日

福島でメディア・リテラシー講演&ソウル

Cimg0020



福島市にて、
「子どもを取り巻くメディア」をテーマに
講演を務めた。
福島県教職員組合の主催。



子ども向けメディアに潜むジェンダー表現や、
性・暴力表現が与える影響、
大人に求められる対策などを
お話した。



メディアの性表現の影響に関しては
学校における性教育の役割が重要となる。
だが現場の先生方は、
子どもにどのように教えれば良いかを
悩んでおられるようだった。



まずは性描写の実態と、
それらが子どもの性行動・性意識を
どう左右するかを知ることである。



ところで冒頭の写真は
韓国の伝統茶。
手前は、干し柿とナツメを入れた液体を
シャーベット状にしたものでウママ。



そうです、この一週間
韓国の有害サイト対策を調査するため
ソウルを訪れていたのであります。
詳しくはツイッターにレポート中なので、
興味ある方は読むセヨ。






2010年8月4日水曜日

女子の性情報源は男子(週刊メディリテ!)

「女性向けのAVって少ないですよね」と不満を述べるのは、
難関私立大学文学部4年生のエリ(仮名、21歳)。
北陸出身で、東京のマスコミに就職すべく活動中だ。
学内の同級生と付き合って1年になる。
兄がいるためかサバサバした性格で、男友達も多い。
性情報も、周りの男子から積極的に収集してきた。



「小学5年生のとき、5歳年上のお兄ちゃんから
本を借りようと思って、部屋の本棚を漁っていたんですよ。
そうしたら棚の裏に、見たことのないコミックが隠されていて。
パッと開いたら……



→続きは『週刊メディリテ!』でパッ。



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