2013年7月24日水曜日

男女共同参画週間に「メディア・リテラシーとジェンダー」講演

先月下旬は男女共同参画週間、ということで、
木更津市主催の男女共同参画フォーラムにて講演を務めた。



「それってもう1ヵ月くらい前の話やないと?」と気付いたあなた、
ええ、ブログ更新が追い付かず恐縮であります。



テーマは
「メディアを読み解くチカラをつけよう!
 ~女性・男性の描かれ方はどうなっているのか?」。
メディア・リテラシーの基礎知識や、ニュースの読み解き方、
メディアのジェンダー表現の問題点について
お話させて頂いた。



・「TVを見ていて、アナウンサーの言うままの評論家の意見に偏りを感じていたので
やっぱりと思った」
・「小さい時から男女のありようを刷り込まれているので、なかなか右から左へと言うように行かないと思いますが、このような講演の機会を増やして地道な努力を続けなければならないのではないかと思いました」
・「意識せず見ていた事を今後一歩引いた目線で眺め、考えるクセを習慣づけて行きたいと感じました。(テレビのこちら側で勝手に文句を言っていた一人で大いに参考になりました)」
・「今まで深く考えることがなかったメディアについて、読み解く方法を少しだけですが、身についたように思います。一歩引いて読み解きたいと心がけます」
・「おもしろかったです。例をあげながらわかりやすく説明していただいたのでよく理解できました」
・「メディアの言葉の表現で自分達が左右されていることに気づいた。言葉の表現に気をつけて生活したい」
・「TVや新聞の新しい見方を教えてもらいました。メディア報道を批判する機関がないことも問題かも?」
・「報道内容を鵜呑みにせず、見る力をつけていきたい」



……等々、たくさんの御感想が寄せられた。有難うございます!



また、主催者の方からはお土産に
「木更津ポン太」(岡杢栄泉堂)の餡菓子と
「あさりの佃煮」(岩崎物産)を頂いた。



「しょ、しょ、しょじょじ、しょじょじの庭は~♪」の童謡って、
木更津が発祥だったのですねえ。
佃煮も日本酒に良く合い、美味しゅうございました。




【参考文献】

Book3 オトナのメディア・リテラシー
         (リベルタ出版)  
◆大学入試 出題文献 
◆小論文模試 出題文献















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2013年7月19日金曜日

(2)教師のいじめ対応:「新」いじめ対策法に向けて~いじめ自殺遺族への15年取材から

名古屋市の中2の男子生徒が今月、自殺したとみられる問題で、
担任教師が自殺をあおる発言をした可能性が報じられている。



また同じ時期、栃木市の小学校でいじめに関するアンケートを実施した際、
「腕を鉛筆で刺された」「たたかれた」等と回答した3年生の児童2人について、

担任教師が「あれは、いじめではないよね」などと言い含め、
「いじめなし」と加筆したことが明らかになった。



福岡男子高校生いじめ自殺事件の遺族は、
学校に、いじめアンケート原文を焼却された経験がある。
いまだ続発する学校側の不適切な対応に、
「まだそんなことをやっているのか。私たちの事件の頃と何も変わっていない」
と憤る。



学校内で子どもに最も近い存在の大人は、担任教師である。
その教師たちは、いじめを受ける子どもの気持ちをどれだけ理解し、
尊重出来ているだろうか。



「栃木の件では、小学3年生の子が勇気を振り絞って
いじめ事実を打ち明けたのだろうに。
嫌な思いをさせられることを『いじめじゃない』と教え込む教師がどこにいる。
この子ども達は、大人に不信感を持って育つだろう」
と遺族。



また、被害を訴えた子どもにいじめの定義を云々するよりも、
まずは「加害者への指導」が優先されるべきなのは言うまでもない。
名古屋の件でも、
もし報じられているような教師の発言が事実だとしたら、
被害者は「教師も加害者側についている」と
見放された思いになったかもしれない。



幼い子どもはまだ心がピュアなため、その人格形成に教師が与える影響は大きいと
福岡の遺族は考えている。
亡くなった洵作さんは、小さい頃から好奇心旺盛で落ち着きがなく、
周りの大人に押さえ付けられて萎縮することがあった。
だが小学校に上がると、そんな姿を担任教師に長所と認められ、
「自分はこれでいいんだ」と伸び伸び振る舞えるようになったという。



いま、遺族は教師たちに問いたい。
「子どもがいじめ被害を安心して報告出来る環境を作ることが
あなた方の役目ではないのですか。
無色透明な子どもを、どんな色に染めるつもりですか」






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2013年7月18日木曜日

【ネット・リテラシー教育と青少年保護】3.SNSトラブル漬けの少女たち

広島県呉市で発生した死体遺棄事件。
最初に逮捕された16歳の少女は、
「LINEで被害少女から悪口を書き込まれ、腹が立った」と
供述しているという。


LINEやプロフといった子どもたちに人気のSNSでは、
目の前に相手がいない「文字コミュニケーション」に特化するため、
発信者側の書き込み内容がエスカレートし、受信者側も過剰に反応してしまいやすい。


少女たちは日々、SNS絡みのトラブルに直面している。
その実態を私がルポした記事を緊急掲載しよう:


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【ネット・リテラシー教育と青少年保護】3.SNSトラブル漬けの少女たち



「プロフやリアルで怖い目に遭ったこと? ああ、何回も」。
関東地方の私立高1年のシズカは、淋しそうに微笑んだ。


「『彼氏出来た』とか『デートした』ってリアルに書き込むたびに、
『自慢すんな』『何でそんなこと書いてんの』ってコメントが来るんです。
削除すると、逆にキレられる。『恥ずい(恥ずかしい)ならリアルとか止めれば』って」


彼氏の浮気相手から嫌がらせをされたこともある。
シズカの彼氏は一時期、隠れて他の女の子と会っていた。


「その子がヤンキーっぽい人で怖かったんですよ。
ウチのブログやゲスブに『ふざけんなよ死ね死ね死ね死ね』と書かれて。
削除しても『消してんじゃねーよ』って。どんなに頑張ってもキリがない」


当時は精神的に追い詰められた、とシズカ。


「すごいヤバかったです。学校行ってても、もう気になって気になって。
変な書き込みがまた来てないかなって。見張られてるような感じ」


公立中3年のソノミはある日、プロフのアクセス数が数千件に跳ね上がっていることに気付いた。


ネットの巨大掲示板にURLをさらされたのだ。
プロフ上に人気ビジュアル系バンドの名前を挙げ、「好き好き~」などと書いたのが原因だった。


「こいつはバンドメンバーの○○(名前)のつながりだ」
「え、こんな可愛くない子でもつながれるの?」
「『貢ぎ』(金銭や物品を奉げること)したんだろ」


掲示板に根も葉もない噂を大量に書かれた。


しまいには「こいつ、今度のライブでつぶす」との脅迫めいた書き込みまで。
ソノミは慌てて、トップ画の顔写真を、手で一部隠したものに代えた。


「つぶされる予告があるライブの日までは、めちゃめちゃ怖くて。
毎日ため息ばかりで落ち込んでましたね。結局、何もなかったですけど」


SNSにはまる子どもを襲うトラブルの形態は、日々増え続けている。



*一口メモ [つぶす]
 一部のミュージシャンのライブでは、ファン同士による「つぶし」という行為が常態化している。 
立ったまま声援をおくるライブの混雑に乗じ、気に入らない相手を殴ったり、安全ピンで刺したり。
つぶされるのが怖くてライブに行けない子も。




(新聞連載)



【参考文献】

Book




プロフ中毒ケータイ天国
 子どもの秘密がなくなる日

 渡辺真由子著(主婦の友新書)










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2013年7月11日木曜日

「新」いじめ対策法に向けて~いじめ自殺遺族への15年取材から:(1)はじめに

あるいじめ自殺事件の遺族から先日、私の元に連絡が入った。
「もう、マスコミからの取材に振り回されたくない」

聞けば、インタビューに応じてもマスコミ側の都合でカットされたり、
一部だけが切り取られる形で報じられることが続いたという。
「何かある時だけ取材に来てインタビューをつまみ食いされても、
自分達の考えは伝わらない」と遺族。



この遺族の事件とは、
1998年に福岡県飯塚市で、当時高校2年生の16歳、古賀洵作(しゅんさく)さんが
同級生たちによる恐喝を受けた直後に自殺したもの。
マスコミに大きく報じられ、私もテレビ局報道記者として、
事件発生時から取材を重ねてきた
(参照:「いじめ自殺 親のそれから」・「いじめ自殺報道とメディア・リテラシー」)。



もっとも、遺族にとってマスコミに顔を出すことは、プライバシーの面でリスクもある。
最近ではマスコミからの取材は基本的に断っており、たまに特別に応じると
冒頭のような目に遭ったという。



とはいえ遺族は、
自分の息子が亡くなって15年も経つのに、いまだ相も変わらず
いじめで命を絶つ子どもが頻発する現状に、もどかしさを抱く。
この6月に誕生した「いじめ防止対策推進法」にも、不備があると感じる。



「もっとしっかりしたいじめ対策法の立案に向けて、
ずっと付き合ってきたあなたが私たちの考えを包括的に発信してくれるなら、
協力してもいい」



私は、この申し出をお受けすることを即断した。
というのも、遺族の取材を続けて早15年。
手元には膨大な量の記録がある。
この取材記録をいずれまとめなければ、と思いながらも
忙しさにかまけて延び延びになっていた。



在籍中の博士課程をちょうど今夏で終えることもあり、
これを機に、いじめ問題に腰を据えて取り組まねばらないと
背中を押された気がしたのである。



いじめ自殺事件の遺族が

事件の5年後、10年後にどのように暮らしているか

ご存知だろうか。



マスコミは通常、いじめ自殺事件の裁判が終われば取材から手を引き、

遺族の「その後」を報じることは殆どない。

私は、これまで複数のいじめ自殺事件の取材をした中でも、

この福岡の事件は発生当初から現在まで異例の長期間追いかけているため、

遺族の心身の変化を間近で見てきた。



当ブログでは今後、そのような取材で得た遺族の視点を紹介しながら、
「新」いじめ対策法のあり方を考察していく。



この国に依然として多発するいじめ問題を、
教育や司法、メディア報道の観点からどう見るか?
事件から時が経つにつれ、
亡き子への遺族の想いはどのように移り変わっていくのか?
いじめ自殺で子どもを失った経験は、遺族の人生にどんな影響を及ぼす?
自殺した子どものきょうだいが直面する問題とは?



いじめ自殺事件の当事者として、15年の月日を経験した方々だからこそ
語れる言葉がある。

不定期掲載。








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2013年7月9日火曜日

PTA大会&青少年健全育成大会でネットいじめ講演

東京都江戸川区教育委員会が主催した「PTA春の講演会」にて
講師を務めた。



 



「深刻化するネットいじめ~その現状と大人の役割~」がテーマ。
幼稚園・小学校・中学校のPTA会員、計約440名の方々が参加。



 



地元の新聞社も取材に訪れるなか、
ネットいじめの現状と対策について、
私が取材してきた子どもたちの心理を紹介しながら
お話させて頂いた。

・ネットいじめの恐ろしさと、子どもを守る対策の重要性について、
具体例を挙げながらの説明は
とても勉強になった
・「いじめられる子どもは強い子である」という
取材者ならではの言葉が印象に残った

・とてもバランスの良いセミナーだった

・話の流れがとてもわかりやすかった

・実際に被害にあった子どもの取材や、亡くなった子どものことを調べられていて、説得力があった



 



・家庭での会話が多方面に影響を与えるのだと思った。今以上に耳を傾け、大切にしようと思う
・親の側として、お互いを思いやりあう人間関係の素晴らしさを教えたり、大切にしあう社会をめざして行動していきたいと感じた


……等々、大変多くの御感想を頂いた。有難うございます!


また後日、
栃木県大田原市少年指導センターが主催した
青少年健全育成大会にて、
同じくネットいじめをテーマに講演を務めた。



この日は、奈良県内で発生した中1女子の自殺に
LINEいじめが絡んでいたとの報道が出たばかりで、
参加者の方々の関心も高かった模様。





いじめ加害者を減らすには、
子ども達の「自己肯定感」を育むことが重要だと私は考えている。
ちょうど大田原市では昨年度から市内の全小中学校で
ありがとう運動」なるものを実施。
「ありがとう」という気持ちや言葉を通し、家庭や学校でお互いを尊重し合い、
子どもが自分自身の存在価値を高めることが目的だという。

「ありがとう」という一言からは、色んな思いを感じ取ることが出来る。
数年後に効果が出ることを期待しています!


【参考文献】

1


大人が知らない ネットいじめの真実

Book




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2013年7月2日火曜日

学校のいじめ危機管理とマスコミ対応(インタビュー)

201307


忙しさにかまけて更新が滞り、恐縮である。
日々の活動はtwitterfacebookでもお知らせしているので、
アカウントをお持ちの方は宜しければどうぞ。
下半期の目標は、目指せブログの頻繁更新!としませう。



さて、
雑誌『総合教育技術』7月号(小学館、発売中)の特集記事で
インタビューにお応えしている。



テーマは
「教師の不祥事やいじめ、体罰の発生時に
学校側が『隠ぺい主義』と批判されないための、危機対応術」。



201307_2


私は元テレビ局報道記者として
学校のいじめ等を多数取材した立場から、
学校によるメディア向け情報公開の問題点を指摘している。



・いじめアンケートの取り扱い
・学校の不祥事を取材するマスコミは何を考えているか
・過激な取材攻勢を招かないためのマスコミ対応術



さらに、「記者会見で学校側が言ってはいけないNGワード集」付き。



断っておくが、
私の話は学校に対し、「マスコミの追及から逃れる知恵」を
指南するものではない。



「トラブルの再発を防ぐ」という視点から、
学校はどのような情報をどの程度、どういった形で公開すべきか、
を述べたものである。
教育委員会向けの講演や、テレビ番組出演時にも取り上げている。



なお、この雑誌では以前「ネットいじめ」問題についてもコメントした
「学校管理職と中堅教師のための教育総合誌」とのことで、
関心のある方は御一読を。







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