2013年12月19日木曜日

中学生向けにネット・リテラシー講演@愛知

愛知県小牧市内の中学校にて、
全校生徒向けにネット・リテラシー講演を務めた。



「ネット社会との上手な付き合い方」がテーマ。
ネットいじめや悪ふざけ画像をめぐる問題や、
メールやSNS等による性犯罪などに巻き込まれないために取るべき行動について、
お話させて頂いた。



主催者の方は、私の過去の講演を聞かれたことがあるそうで、
「是非うちでも」と御依頼下さった。有難うございます!



この中学校でも
携帯やスマートフォン、パソコンなどを所有する生徒は
全体の約8割に上り、
嫌がらせや性的な誘いを受けた経験者も多いという。



スマホやネットのトラブルは地方も都会も関係なく起きる。
むしろ主催者の方は、
「地方は交通が不便な分、ネットの便利さにのめり込みやすい」と
話しておられた。



講演後、生徒たちからは沢山の感想が:



・ 少しのことで心が傷つくということがあるので、メッセージを送るときは、言葉をよく考えて選んでいきたいなと思いました。渡辺先生の話は分かりやすく、変なサイトやゲームはしないことと知らない人と交流しないことをわかりやすく教えていただきました。他にも、変な写真を投稿しないこともすごくわかりやすかったです。もし、このような話を聞いていなければ、ぼくは知らずにやっていたかもしれません。今日は本当にいいお話が聞けてよかったです。(1年男子)


・ 携帯電話やパソコンを持ったことがないので、今日の話の中ででてきたトラブルにあったことはないけれど、携帯電話やパソコンを持つようになったらしっかりと対策をしたいと思いました。持つ前に対策方法を知っておけば、トラブルにあう可能性もずいぶんなくなると思い、被害にあい、死んでしまってからでは遅いので、使用する際には、しっかりとルールなどを守りたいなと思いました。

  渡辺先生に教わった事をこれからのことにいかしていきたいと思います。(1年女子)


・ LINEなどは便利だけど、変なことや画像、個人名をあかしてしまうと悪用されたり、おどされたり、悪口を書き込まれたりして危険だということがわかりました。性被害も女性だけではなく、男性も気をつけることがわかりました。文章は記録に残ってしまい、また相手の気持ちがわからないのでよく考えてLINEやメールをしようと思いました。(2年男子)


・ ネットやLINEについてのイメージが少し変わりました。手軽にコミュニケーションがとれる便利な情報伝達手段ですが、しても良いこと悪いことの区別をしっかりつけ、よいつき合い方ができたらいいなと思いました。とくに、ネットなどの顔のみえない会話の時は普段の生活での会話より、もっと相手の気持ちを想像して相手を傷つけることなく利用ししていきたいと思います。ネットの中で個人情報につながる情報は流さないように気をつけ、相談などは気の許せる相手だけにしたいです。(2年女子)


・ ネット社会にはさまざまなトラブルがあると実感しました。なかでもLINEのトラブルがとても多いことに気づきました。あと中学生をねらう大人たちが多いとわかりびっくりしました。いやな画像など載せられたら嫌だし、不愉快だし、自分もそんなイジメを見かけたら、できるだけ止めていきたいと思いました。これからはトラブルが起きないように、これからの生活に気をつけていきたいと思いました。(3年男子)


・ 見えない文字だけの関係は本当になにも分からなくて、危険がつまったものだと思いました。今までも、それなりに気にしていたけれど、今回の話を聞いてより考えて悩むべきことだと思いました。また、ささいな
所でのいざこざが積もっていけば、とても大きな事件になってしまう恐ろしさもまた、考えさせられました。周りへの危機感をもって生活していくことが大事だと思いました。知らない人とは関わらないように、どこかへ誘われてもはっきりと断れるようにしようと思いました。(3年女子)

 


ちなみに私は小牧市のお隣、春日井市の生まれである。
この土地を訪れると、ほのかな懐かしさを感じたのでした。

*追記
後日、この中学校から御連絡が。
講演後、生徒たちのネット利用時間が大幅に減り、
ネット・トラブルに巻き込まれないよう対策をする生徒も
22%→65%に急増したとのこと。
「子どもたちのセキュリティ対策に対する意識が一気に高まりました
と主催者の方。
良かったです!





【参考文献】
最新刊!性教育とメディア・リテラシー

Photo_2



『性情報リテラシー』


・子ども達はメディアの性情報にどのように接し、
 自らの性行動・性意識にどう反映させているのか?

・「性的有害情報対策」としての
 リテラシー教育はどうあるべきか? 



 




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2013年12月18日水曜日

「恋愛リテラシー」のミニ講義@慶応SFC

元・TBSキャスター&内閣審議官の下村健一氏が担当されている
慶応大学SFCのマスコミュニケーション講義に飛び入り参加。
「恋愛リテラシー」について、お話させて頂いた。

・「恋愛リテラシー」って何?
・メディアの恋愛情報と異性のキモチのズレ
(1)「露出服」の意味
(2)「家で2人きり」の意味
(3)避妊方法の誤解

…などなど。

特に女子が熱心に聞いており、
講義終了後に「面白かったです!」と駆け寄ってきてくれる学生も。

女子は男子にこういう話、知って欲しいんだよね。



この日語った内容の詳細は
拙著『性情報リテラシー』に詰まっています!


ちなみに下村氏とは
私がテレビ局を退職し、
カナダでメディア・リテラシーを研究していた頃からのお付き合い。
帰国後も何かと情報交換をさせて頂いている。


ひゃ~、初対面からもう9年や。


【参考文献】
最新刊!性教育とメディア・リテラシー

Photo_2



『性情報リテラシー』


・子ども達はメディアの性情報にどのように接し、
 自らの性行動・性意識にどう反映させているのか?

・「性的有害情報対策」としての
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2013年12月12日木曜日

「女男共同参画とメディア」講演@小田原&福井

小田原市で先日、
女男共同参画とメディアに関する講演を務めた。
市の人権・男女共同参画課の主催で、市町村連携事業の一環。



以前に「かながわ女性センター」で
メディア・リテラシー講座の講師を担当したことから、
「うちでも是非」との御依頼。恐縮でおじゃる。



今回は「オトナのメディア・リテラシー~女男共同参画の視点から」と題し、
・メディア・リテラシーとは?
・【受信者編】ニュースの作られ方・ジェンダーとメディア
・【発信者編】情報を「伝える」リテラシー



…について、お話させて頂いた。



・「情報発信の視点で聞いたところ、最後に発信者編があり、受講者のハートをキャッチしていると感じました」



・「内容が身近であり、自分の中に潜在する意識に触れられ興味深かった」



・「日頃、メディアの報道内容を疑わしいと思っていたが、やはりそうだったことが分かって面白かった」



・「自分自身はあまりジェンダー論に実感がわかず、興味を持てずにいましたが、実際の新聞や中吊り広告の説明を聞いて、今までメディアの思うように受けとっている部分も多かったのだと実感しました」



・「TV報道やCMなど、何気なく意見ていてあまり気にならなかったが、言われてみると確かに、と思うことが多かった」



等々、参加者の方からは多くの御感想が。



主催者の方からも、
「日常生活に密着した内容で興味深く、
また、情報の発信者側としても考えさせられる内容で
参加者から大変好評でした」
とのコメントを頂いた。
有難うございます!



ちなみに本講座には
市民に加え、全庁の職員の方々も研修として参加し、予定を大幅に上回る人数に。
男女共同参画以外の部署の方々にも聞く機会を設けるとは、
小田原市、意識が高いですな。



続いて福井へ。
福井県生活学習館が主催した
男女共同参画推進講座リーダー養成コースにて
「メディア・リテラシーとジェンダー」の関係をお話。



こちらでは以前にも同様の講座を担当したことがあり
リピート登壇となった。



帰路、福井駅で名物「しめ鯖弁当」を購入。
ほのかなお酢の香り漂う肉厚の鯖が、
美味しゅうございました!



【参考文献】
最新刊!性教育とメディア・リテラシー

Photo_2



『性情報リテラシー』


・子ども達はメディアの性情報にどのように接し、
 自らの性行動・性意識にどう反映させているのか?

・「性的有害情報対策」としての
 リテラシー教育はどうあるべきか? 



 




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2013年12月4日水曜日

メディアの性情報に踊らされる子どもたち(新聞寄稿)

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「初めて性的メディアに接した時期は小学5年生未満」。
こう答えた割合が男子も女子もトップだった。私が複数の大学の学生男女計
141人を対象に実施した、性とメディアに関する調査結果である。


性的な内容を扱う雑誌や漫画、AV(アダルトビデオ)の氾濫に加え、近年はインターネットの普及により、青少年が性情報を目にする機会は増大している。親や学校がまともに教えてくれないぶん、メディアは「性の教科書」として重宝されている。


そうしたメディアの性情報は、青少年の性意識・性行動にどう反映されているのか。この問いを検証するための調査結果の概要を、今回から「現状編」と「対策編」の2度に分けて報告しよう。


性的メディアに初めて接したきっかけとしては「ネットで見た」や「自主規制のゆるい店で成人雑誌を購入」が多い。反面、「父親の通勤かばんから成人向けグラビア誌を発見。汚らわしいと思った」(男子)、「中1のとき、父親が家に隠しているAVを見つけ、友人と観賞会を開いた」(女子)などの声も。家庭が、子どもへの性情報の供給源になっている実態は見過ごせない。


では、このように子ども達がメディアから吸収した性情報は、彼ら彼女らに何らかの影響を及ぼすのだろうか。 


A子(21)が初体験をしたのは高2の時。たいして好きでもない相手とだった。「ティーン雑誌の読者アンケートに、初体験年齢の1位が15歳と紹介されていました。そういう話を読むと焦るというか、私も早くエッチしなきゃいけないと思ったんです」


A男(21)は、合コンで知り合った女の子たちと一夜限りの関係を重ねる。ファッション誌のナンパ特集で、次々と女性を口説く男性の姿に憧れたのだという。「そこまで単発の関係を望んでいるわけではないのに、友達に自慢したいがために頑張っているところがありますね」


さらに深刻な事態も発生している。


B子(19)は、「映画のDVDを見よう」と言われて同級生の男子の家へ遊びに行ったところ、強引に迫られ性交された。「抵抗したけれど聞き入れてもらえず、仕方なく許しました。でも、全然幸せではありませんでした」。


顔見知りの相手による合意のない性交渉は、「デートDV」の1つである。今回、女子学生たちの口からデートDVの被害体験が次々と出てきたことに、衝撃を覚えた。「嫌だといっても聞いてくれなくてとても不快だった。私の気持ちより自分の欲求が大事なのかと、幻滅した」「寝ている時に無理やり迫られた。
泣いてもやめてくれない」「ノーといっても本気のノーとは気づかず、エッチしようとしてきた」「家にいたときに強引に誘われた。抵抗したが、無理やり手を押さえられた」……。


こうした行為に身に覚えのあるB男(21)は言う。「彼女にノーと言われたとき、『これはいいのかな、行けるのかな』という考えが頭をよぎりました。雑誌に『女性が嫌がるのはポーズ』と書いてあったんですよ。AVだって、最初は女性が嫌がって、でも脱いだらそのうち乗り気になってくる、ってパターンが多いですから」。


またC男(22)は、「中高生の頃見ていたテレビで、『家で2人きりになったら、やらなきゃいけないっしょ』と、お笑いタレントたちがよく発言していたんですよ。そんなもんかな、と思ってました」と振り返る。
 避妊に関してはどうか。男子へのアンケート(複数回答)によれば、避妊手段として「コンドーム」の利用者が88%と1位だった。だが2位は、避妊効果はほぼないとされる「膣外射精」で、21%となっている。


「膣外射精は避妊の一種かと思っていました。周りにもそう信じているヤツは多い。AVでしょっちゅう、その場面出てくるし」「アダルト動画を見ていてもコンドームを付ける場面はあまりないので、大丈夫と思ってしまう」等の声が男子たちから寄せられた。


 メディアの性情報をうのみにしてしまう子どもたちがいることを、保護者や教師は把握しておくべきだ。

(熊本日日新聞『論壇』寄稿、2013.11.17)

>>対策編「性教育にメディア・リテラシーを!(新聞寄稿)」


【参考文献】
最新刊!性教育とメディア・リテラシー

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『性情報リテラシー』


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2013年12月2日月曜日

『性情報リテラシー』 kindle版発売!

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  大変お待たせ致しました!
ご好評頂いている『性情報リテラシー』、
「Kindle版はないの?」というご要望にお応えして
ついに!Amazonにて発売がスタートしました



スマホをお持ちであれば
Kindle無料アプリをダウンロードして読めます。



ネットのアダルトサイトやAV、アダルト雑誌・漫画など
メディアの性情報が氾濫する現代、
それらは青少年の性意識・性行動に
どう影響を与えているのか?



いわゆる「性的有害情報」対策としての
メディア・リテラシー教育はどうあるべきなのか?



青少年の性をめぐる「現状」と「対策」を、
大学生たちの赤裸々な声を盛り込んで伝えている。
「よく、こんな事まで話してくれましたね!」と読者の方々から驚かれるが、
「恥ずかしいけれど、研究の役に立つなら……」と勇気を振り絞ってくれた
彼女ら彼らのおかげである。



『性情報リテラシー』の内容については、
既に全国の教育委員会や中学・高校PTA、生徒向け、学術研究会などで
多数の講演をさせて頂いている



性教育に関心のある方には是非お読み頂きたい。
もちろん、現役の中・高・大学生にとっても
「恋愛リテラシー」や「性コミュニケーション能力」を向上させる
一助となるだろう。



詳細&目次はこちら!


☆追記☆
発売直後、「家庭医学・健康」部門の新着ランキングで
早くもベストテン入りしました!
有難うございます。


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