2014年6月30日月曜日

SNSに依存する子どもたち(2)<無防備な子どもたち>

20145


 ほとんどのSNSには「自己紹介」機能がある。プロフィール欄に画像や文章を載せ、自分をアピールするのだ。自己紹介用の画像として大半の子どもが使うのは、携帯やスマホのカメラで撮影した自分の顔写真だ。顔の一部を隠す用心深い子もいるが、多くは素顔をそのまま公開している。写真シール機(通称「プリクラ」)で友達と一緒に撮った写真も目立つ。最近のプリクラは、撮影した写真をシールにするだけでなく、画像にデジタル化して自分の携帯に保存出来る。ある女子中学生は、「友達も私の顔をSNSに普通に載せてるから、お互い特に気にしてない。いちいち許可取る感じじゃない」と話す。


 
プロフィール欄の項目はSNSにより様々だが、主に「名前」「居住地」「誕生日」「職業」など。特定されないよう大まかに記入すれば良いものを、子どもは
簡単に個人情報をさらす。「名前」の欄に本名、「職業」の欄に学校名と学籍番号など、尋ねられている範囲よりも詳細な情報を出してしまうのだ。自ら進んで、である。これでは、サービス提供側が個人情報を出させないよう項目を工夫しても、あまり意味がない。


 文部科学省の調査(2010)
では、SNSなどのコミュニティサイトに見られる不適切な書き込みのうち、実に9割近くが中高生によるものだった。不適切な内容別で最も多かったのが個人情報の公開で、全体の60%を占める。このうち、所属先の学校・団体名を明かしていた書き込みが66%に達した。


 SNSにおけるもう一つの主要な機能が「実況中継」である。いま何をしている、誰といる、何を考えている等を、文章や画像で投稿するのだ。「これから渋谷でカラオケ」「まじムカつくんだけど」「部活終わった」などと1日に数回、多い子は10回以上書く。詳しい状況説明が抜けているので、あかの他人が読んでもよくわからない。だが、仲間内ではこれで通用する。「きのうカラオケ行ったの?」など、SNSに書いた内容が友達との会話のネタになるのだ。

 「友達のSNSをこまめにチェックするから、結構話題がはずむんです。直接聞いて、もし教えてくれなかったら、ちょっと気まずいんで」と、ある女子中学生が打ち明
ける。KY(空気が読めない)と見なされることを恐れ「臆病化」する子どもたちの間では、「きのう何してた?」と相手に直接聞く形のコミュニケーションは、省略されつつある。


 画像の投稿内容も赤裸々だ。「学校のトイレで仲間とヤンキー座り」、「自習中の教室でプリンを食べる」、「体育館でジャージ姿」などなど。携帯持ち込み禁止のはずの学校で、いかに子どもが学校内でも携帯カメラを多用しているかがわかる。自分の顔も友達の顔もそのまま大量に出す無邪気さには、唖然とするほどだ。「散らかっている自分の部屋」「彼氏といちゃいちゃ」など、かなりプライベートな画像も目につく。15歳の女子中学生は、彼氏とシャワーを浴びた後の2人の裸(肩から上)を公開していた。


 
ある女子高校生は、教室でいじめられているらしい男子生徒の後ろ姿を撮影してSNSに載せ、「噂のアイツだよね」とコメントを添えている。他人の画像を公の場にさらし、皆で笑い合うのは立派なネットいじめだ。だが彼女たちは、内輪の友人と写真付きの交換日記をしている感覚なのだろう。



<続く:不定期連載>
初出:月刊『子どもの文化』2014年5月号






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2014年6月25日水曜日

SNSに依存する子どもたち(1)

20145


「A高校受かったよ!」。合格発表を確認して早速SNSに書き込む。「同じ高校受かったからよろしくね」。ほどなく、コメント欄に見知らぬ女の子からメッセージが届く。2人はすぐに意気投合。「これで入学後も1人ぼっちにならなくていい」と安心する……。


この春、似たような光景が多くの子どもの間で見られたことだろう。ツイッターやフェイスブック、プロフ、LINEといったインターネット上のSNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)を利用する子どもの割合は増加傾向にある。


内閣府が2013年に実施した調査によれば、携帯電話・スマートフォンを所有する高校生のうち、SNS等のコミュニケーション系サイトの利用率は51.3%で、前年より15%以上伸びた。彼女ら彼らの日常に、SNSは着実に浸透してきている。


SNSでは個人が自分専用のスペースを持ち、文章や画像、動画を投稿したり、他者と交流したりすることが出来る。友人の輪を広げるには便利なサービスだ。だがいま子ども達はこのサービスを利用して、本来秘密にすべきような自分の個人情報を、惜しげもなくさらけ出すようになっている。


本稿では、私が取材した経験に基づきながら、子ども達の秘密がSNSにあふれている現状とその危険性、対策について述べたい。



<続く:不定期連載>
初出:月刊『子どもの文化』2014年5月号







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2014年6月17日火曜日

20代女性が仕事の成果を出す外見術

Oggi20147_2




諸々の締め切りに追われ、
すっかりブログの更新が滞っていたが
お元気でしょうか?


発売中の『Oggi』7月号でのネット・SNSリテラシー対談
お陰さまでご好評を頂いている。


今回はOggi初登場を記念し、読者世代の女性向けに
「20代で仕事の成果を出す外見術」をお伝えしたい。


というのも、
私自身は29歳でテレビ局を辞め、30歳からの留学に踏み切った(退職した理由はこちらで述べている)。
このため、20代のうちに出来るだけ仕事の能力を高めておかなければならないと
奮闘した経験があるからである。


若いうちは、色々失敗して怒られながら学んでいくもの。
逆に考えれば、上司にどんどん怒ってもらった方が、仕事を覚えるのが早くなる。
そこで私は戦略を練りました。
ズバリ、「怒ってもらいやすい自分」を演出することにしたのだ。


女性で若くてしかも愛らしい(?)新人というのは、
上司にとっては叱りつけにくい存在かもしれない。
あまり「女の子」的な部分を感じさせてしまうと、
「怒鳴ったら泣いちゃうかなあ」などと上司に思われ、指導を手加減されてしまう。
結果、女性は同期の男性よりも、仕事を身につけるスピードが遅くなる。
困難な仕事も回してもらえないかもしれない。
だからこそ、女性の新人は上司に「叱りやすい」と思ってもらえるよう、
意図的に自己を演出しなければならないのだ。


これには、主に外見上の工夫が重要である。
ポイントは、いかに「女性フェロモン」を感じさせないようにするか。
そう、「フェロモン・コントロール」ですね。


大体マスコミのような男社会では、数少ない女性社員は品評の対象である。
私は男友達が多いので「男目線」がどういうものが多少知っているのだが、
ま~みんな「ズボンに透けて見える下着の線」とか
「服の上から目測できるボディサイズ」ばかりをチェックしております。
「仕事の同僚」としてより、「性的な対象」として見る目が先に立ってしまうのだ。


だが、純粋にビジネスをやりたい女性社員にとっては、
いちいち性的目線で品定めされることは迷惑この上ない。
そのため、自分の「女性フェロモン」を消し去る必要があるのである。


私が使った方法は何か。
まずは髪型の変更である。
学生時代は肩下まで伸ばしたりパーマをかけたりしていた髪を、
バッサリと切ってショートにした。
どうしても髪を切りたくないという人は、後ろで1つに束ねてもいいだろう。
いずれにせよ、シャンプーの香りがする長い髪をサラサラとなびかせているようでは、
女性フェロモン全開になってしまうのでご注意を。


続いて行なったのは、メイクの変更である。
変更というより、止めたのだ。
私もかつては慶応大学のトレンディ女子大生(?)の1人として、
メイクには30分くらいかけていた。
爪にもマニキュアを塗らないと、人に会えなかったぐらいだ。


だが、メイクって男性はしないものですね。
つまりメイクをすることは、「私は女性です(=男性ではありません)」と、
男性社会の中で自らの異端さを際立たせてしまうことにつながるのである。
もちろん、「女性らしさ」をアピールして仕事をしたい、という場合は別だ。
そういう方には今回の記事は無関係であります。


よって私はファンデーションも塗らず、眉も描かずスッピンで出社。
かろうじてリップグロスを塗るぐらいか。
入社後しばらくフルメイクをしていて、突然スッピンで登場するとギョッとされるので、
入社日からスッピンで通すのがおすすめだ。
メイクをしなくなれば時間にゆとりが出来るし、お肌に負担もかからない。
そもそも仕事が忙しいので、のんびりメイクなどしている暇はない。
マニキュアに関しても、仕事をしていれば剥がれそうだし
塗り直す手間もかけられないので敬遠するようになった。


だが、外見術はここで終わらない。まだ大きな課題が残っていた。
それは……「服装」である。


私がいた職場の服装はスーツが基本だ。
女性としては、スーツのジャケットに合わせるボトムをスカートにするかパンツにするか、
をまず考えねばならない。
っていうか、そんなのはパンツに決まっているのです。
スカートを履いたが最後、機敏に動けないわ
脚線美をチェックされるわで、仕事には全く役に立ちません。
さらに、スカートを履けば必ず男性から
「足首の締まり具合」や「ふくらはぎの太さ」、「椅子に腰かけたときの腿の露出度」などを
見定められていると思った方がいいでしょう(by男友達情報)。


パンツスーツを着用するといっても、どんなデザインでも良いというわけではない。
最重視すべきは、「フェロモンを感じさせない」という点である。


そこで、パンツスーツを選ぶにあたっては特にジャケットの丈に注意しましょう。
ヒップがすっぽりカバーされるよう、長めの丈にするのである。
パンツを履くことの弱点は、ヒップの形が出やすいということ。
当然、男性たちはそれを見ており
「いい体してんな~」「Tバックのラインが透けてた」
などと、皆でこっそり報告し合っている(by男友達情報)。


ところが、最近の女性向けパンツスーツは、ジャケット丈が腰までの短いものが主流だ。
洋服屋の店員さんも「ジャケットが短い方がスタイル良く見えますよぉ」
などと勧めてくるでしょう。
実際、そうしたパンツスーツを無邪気に着ているビジネスウーマンをよく見かけるが、
ヒップがプリンと強調されていて、女性の私でも目のやり場に困るぐらいである。
男性ならなおさら、イヤでも目がいってしまうことであろう。
例えファッションの流行には逆行しても、バリバリ仕事をしたい女性は
長めのジャケットを選びましょう。


ちなみに私は、そうしたパンツスーツばかり着用していたら、
同僚の男性に「いつも恰好が保守的だよね」と言われた。
やっぱり、男性社員も女性のジャケット丈をチェックしているんですね……。


最後に、ここに述べた外見術は、「スッピンでショートヘアの中性的な女性に萌える~」
という男性には通用しませんので、御注意を。
フェロモンを抑え込もうとする姿が、逆に色っぽく見えたりもしますからねえ。

というわけで、
「20代で仕事の成果を出す方法」、
今回は外見編をお送りしました!


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