2014年11月28日金曜日

「子どものネットいじめと大人のメディア・リテラシー」講演@相模原市

神奈川県相模原市教育委員会が主催した人権講演会で
講師を務めた。


「子どものネットいじめと、大人のメディア・リテラシー
~子ども達のために私達大人の役割は何かを考える~」
がテーマ。


スマホ(スマートフォン)やSNSの普及により
子ども達が直面しているネット・LINEいじめの現状を認識すると共に、
大人自身が「メディア・リテラシー」を持ち、
様々な媒体から
発信される膨大な情報を正しく読み取り、
どのように行動し「大人の背中」
を見せていくべきかを考えよう、
との趣旨である。

お話したのは主に下記の3点:

●深刻化するネット・LINEいじめの現状と手口

●メディアが作る「常識」と、
「ネット世論」が仕立て上げられるカラクリ

●子どもたちを守るために必要な大人の「メディア・リテラシー」



いじめはメディアに影響される場合もあることから、
メディアのイデオロギーやネット世論、デマのカラクリも解説。


神奈川県警のサイバー犯罪対策担当者の方も聴講に来られた。
私の書籍ツイッターをこまめにチェックして下さっているようで、
恐縮であります。


主催者の方によれば、
「教師やPTAの反応もとても良く、一般市民の方々も強く興味をもたれたようです」
とのこと。
参加者からの御感想も多数頂いた:

・大人が子どもに与える影響は大きい。ネットいじめから子どもを守るために、まず大人がメディア・リテラシーを身に付けることが大切だとわかった
・想像力の育成が大切、との話が印象的だった
・メディア・リテラシーについて、子どもや周りの人とも話したいと思った
・とても良かったです

・ネットいじめについて理論的に考えることが出来た
・偏ったメディアの報道やネットいじめについて、いかに大人が判断して子どもに伝えるかが大事だと思った
・大変勉強になりました
・情報を批判的に見ることの必要性を感じた
・メディアのイデオロギーの伝え方を知れた
・とてもわかりやすい内容だった
・ネットいじめの恐ろしさや、どういったことに子どもが悩むのかがよくわかった
・スマホやパソコンの使い方を子どもと話し合いたい
・親として学ぶことが多い内容だった
・大人がもっと子どもに関心を向けて勉強しなければいけないと思った
・新しい角度から、子どものネットいじめの解決方法をつかめた



……などなど。有難うございます!


ちなみに相模原市といえば、
私が非常勤として教壇に立っている相模女子大学がある。
このような形で地域貢献させて頂くのも、ご縁ですにゃ。



【参考文献】


1


『大人が知らない
ネットいじめの真実』

(ミネルヴァ書房)

Media_literacy3


オトナの
メディア・リテラシー

(リベルタ出版)









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2014年11月15日土曜日

韓国テレビ局SBSから「日本の放送表現規制」インタビュー


韓国のキー局SBSから、インタビューをお受けした。

世界各国のバラエティ番組の実状を取材し、
そこから垣間見える文化や社会、国民性を探るドキュメンタリー特集
『SBSスペシャル』にて。

特に興味を持たれたのは、
他のアジアの国々に比べ日本のバラエティ番組が、
性的な描写や相手をいじる行為、頭を叩いたりする行為などに対し、
とても寛大な作りになっているように見える、という点。
それらがなぜ国民や政府に受け入れられているのか、との質問であった。


これについては、
「性の尊厳」や「人権」に対する意識の観点から
解説させて頂いた。


自主規制を重んじる放送審議制度が
日本に取り入れられた背景や、
BPOの役割についても御説明した。

また、
LGBTの人々が日本のテレビ番組に多数出ていることについて、
「現実社会での彼女ら彼らの人権保護にはつながっているのか」
との疑問も呈された。

さらに、
日本製のアダルトビデオの内容は
韓国の人々にもよく知られており、
「あのように歪んだ性情報があふれているのに、
日本の性教育はなぜ保守的なのか」
という議論も。


日本の性教育に求められる対策として、
性情報の歪みを読み解く目を育てる
「性情報リテラシー」の必要性を提言した。


今回のドキュメンタリー特集は
年明けに韓国全土でオンエアされる予定。


103
なお、
メディアの性表現が
見る者にどのような影響を与えるかについては、
科学的なデータを
拙論『性的有害情報に関する実証的研究の系譜
~従来メディアからネットまで』
(情報通信学会誌)で、
現実の子ども達による体験談を
拙著『性情報リテラシー』で紹介している。

Photo


ご興味がある方はどうぞ!






<放送後の関連記事>
BPOへの政府介入を防ぐために



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2014年11月2日日曜日

リベンジポルノを取材中

何かとバタバタしていて
ブログの更新がすっかり滞ってしまった。
ちょっとした近況はツイッターフェイスブックでも
発信しているので、
よろしければこちらもご覧下さいまし。



バタバタしている理由の1つは
この時期、講演が集中しているということ。
全国を東へ西へと飛び回っております。
あなたの街にも行くかも!?



もう1つの理由は、
新たな取材を始めたため。
そのテーマは……
「リベンジポルノ」。

ネットと青少年保護を研究する私としては
以前から気になる問題であった。
三鷹市女子高生殺害事件への論考を書いたのを機に、
この事件の判決公判も傍聴した。





ただ、
取材する内に気付いたが
リベンジポルノと一口に言っても様々な形態がある。



恋愛関係の恨みによるものだけではない。
いわゆるJK産業で働く女子高生が客に撮影され
勝手にネット上で公開されたり、
児童ポルノに出演させられた女子高生が
ネットからの削除と引き換えに金銭を要求される場合も。
こうした幅広いケースへの対策を考えることが必要だ。



恋人間の場合、
そもそも何故そのような画像を撮影するのか?

彼氏に裸の画像を撮らせた女子、
自ら撮って送った女子、
彼女に撮影をおねだりした男子などに話を聞くと、
そこには様々な「思い」がある。





「恋人と性的な画像を撮影する」というのは
もはや当たり前すぎて、
理由を聞かれることに戸惑う若者すらいる。





リベンジポルノ問題の本質は
「性的な画像を撮ったり、撮らせたり」することにあるのではない。
「相手の合意を得ずに公開する」ことが問題なのだ。
取材を進めるうちに、対策のあり方が少しずつ見えてきた。



詳細については、いずれまた御報告する機会があるだろう。



なお、リベンジポルノに対する規制法案については
自民党が今国会に提出する見込みだ。
だが、被害者らの申し立てがなければ起訴できない「親告罪」とするという。



自分が知らないところで勝手に自分の画像が回されていれば、
被害に気付きようもないわけだが。



また、リベンジポルノに限らず性犯罪全般で
中高生がいわゆる「泣き寝入り」をしがちなのは、
警察に申し立てれば親に連絡が行ってしまう、と
懸念するせいでもある。
「親にだけは知られたくない」と思っている被害者は多い。



もちろん、子どもを保護する第一義的な責任は親にあり、
何でも相談できる親子関係を築くことが最優先だ。
しかし同時に、
親に知られずに相談できる場所の整備を進めていくことも、
現実に即した急務といえよう。



【参考文献】


Photo_2



『性情報リテラシー』

 渡辺真由子著(Kindle版)



 若者の「性行動」はいま
  どうなっている!?



性教育教材としてニュースで紹介!



関連の動き色々










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