2016年3月31日木曜日

メディア・リテラシー入門



http://mayumedia.blogspot.jp/2016/03/blog-post_8.html 頻発する残虐な少年事件やいじめ、性犯罪に、メディアの影響が注目されている。テレビ局の捏造やヤラセ、新聞の誤報、インターネットを介した犯罪も相次いでいる。受け手の側に、メディアを鵜呑みにしない力がいまほど求められる時代はない。
 
2005年1月、私はカナダのバンクーバー空港に降り立った。7年間勤めたテレビ局を退職し、メディア・リテラシーを研究するためだ。

テレビ局時代は報道記者・ディレクターとして警察キャップなどを務める傍ら、セクシュアル・ハラスメント、ドメスティック・バイオレンスなどの女性問題や、性同一性障害、自閉症、若者の性行動の取材に打ち込んでいた。これらのテーマでドキュメンタリーやニュース特集を数多く制作。社会の差別や偏見をなくしたいとの思いからだった。

だが一方で、いじめのヒントを与えるようなバラエティ番組や、性を興味本位に扱う広告は増長するばかり。一作り手として歯がゆかった。メディアも企業なので、視聴率を上げたり読者の数を増やしたりするためなら低俗な情報も流す。これはもう、メディアの受け手自身が、情報に流されない目を養う必要があるのではないか。そんな危機感に駆られていたときに出会ったのが、メディア・リテラシーという学問だった。

メディア・リテラシーは、「メディアの特質、手法、影響を批判的に読み解く」能力と、「メディアを使って表現する」能力の複合である。カナダは1987年、世界で初めてオンタリオ州がメディア・リテラシー教育を国語のカリキュラムに取り入れ、2000年までに全ての州が義務化した、メディア・リテラシー教育先駆けの国だ。

日本でも政府がメディア・リテラシーの重要性を提言し、学校教育でコンピューターやインターネットを活用したり、テレビ局が番組の制作過程を公開したり、市民団体が自分たちで映像作品を作ってみたり、といった取り組みがこの10年ほどで見られるようになった。しかし、その内容のほとんどは「メディアを使って表現する」能力の育成に主眼を置き、メディア・リテラシーの最大の目的である「メディアを批判的に読み解く」視点は、抜け落ちている感がある。

メディアの特質、手法、影響を理解するには、メディアの作り手がどのような「意図」を持って情報を流しているかを知らねばらない。この本は、カナダのメディア・リテラシー教育が取り入れる世界先端のメディア分析理論と、作り手としてメディア業界に身を置いてきた私の経験に基づき、メディアの裏に隠された意図を解説する。広告、テレビ、新聞から映画、インターネットまで、メディア全般の読み解き方の基本がおわかりになるはずだ。

また、メディア・リテラシーは子どもに教えるものと捉えられがちだが、この本は敢えて大人のあなたをターゲットにしている。メディアの読み解き方を教わる機会がないまま成長した大人にこそ、ここに書かれたノウハウを身に着けて頂きたい。そして、子どもにメディアとの付き合い方を手ほどきする際にも、活用してもらえればと思う。

なお、この本で述べる「メディア」とは、特定の人を対象とするサブカルチャー系のメディアではなく、不特定多数の人に向けた市場規模の大きい、いわゆる「大手」メディアを指す。大手メディアは自らが権威と化しており、その強大な影響力に絡め取られないためには、より主体的に読み解くテクニックが必要となるためだ。
メディアに左右されず、自分の頭で情報を判断したいあなたに、読んでほしい。


『オトナのメディア・リテラシー』渡辺真由子著まえがきより) 




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2016年3月28日月曜日

「恋愛と性情報」を考える講演会

とちぎ男女共同参画推進情報誌
「女性への暴力を考える講演会」に登壇。
「私たちをとりまく性情報 ~それって本当に恋愛ですか?~」
とのタイトルで、
お話させて頂いた。

主催は、とちぎ男女共同参画センター。
「女性に対する暴力をなくす運動」週間に
合わせたものである。

情報を読み解く力は、恋愛を、人生を、
もっと豊かなものにする。
歪んだ性情報に惑わされず、お互いを尊重する、
暴力のない豊かで素敵な関係を、
家族、恋人、友達同士で目指していこう……、
という企画。

暴力の現状だけではなく、
メディアが発信する恋や性の情報を
正しく読み取る力の重要性と、
これからの予防教育について、
県民の皆さんが考えるきっかけを
提供するのが狙いだ。

講演では、

・「性情報リテラシー」とは何か?
・若者の性的メディア利用の現状 
・メディアの性情報が恋愛観に与える影響
 ~デートDVとの関連性
・性情報リテラシー教育のあり方
 ~性的トラブルに巻き込まれないために

といった内容を、
私の取材に基づきながら解説。

・「とてもわかりやすい説明だった」
・「取材を元にした内容は説得力があり、納得できた」
・「男性と女性の、性に関する認識の違いや現状について、
 実感として知ることが出来た」
・「DV被害の悲惨な話ばかりでなく、
 若者の性情報の影響についての話はとても新鮮だった」
・「メディアの性情報の誤解は、とても深いと感じた」
・「メディアからの影響がデートDVにつながっていることを
 考えたことがなかった。自己肯定感が大切だと
 改めて感じることが出来た」
・「女性もまた、偏った見方を知る必要があると思った」
・「お互いを尊重し合う人間関係を築けるよう、
 家庭でもきちんと教育すべきだと感じた」
・「ぜひ多くの方に聞いてもらいたい内容だと思った」
・「若者に聞いて欲しい内容だった」

……などなど、参加者の方々から沢山の感想が寄せられた。

「大変好評で、受講者の皆さんの視野が広がり、
暴力や性情報について考える有意義な時間でした」
と主催者の方。
お役に立てて何よりです。

また、同様のテーマで
東京都大田区男女平等推進センターの
メディア・リテラシー講座でも講演。

こちらは保護者の方向けで、
子どもを取り巻く性情報の実態に
衝撃を受けられたご様子。

我が子への性教育の参考にして頂ければ
幸いである。

以上、
お世話になった皆さま、
有難うございました!

【参考文献】

Photo_2
『性情報リテラシー』

 

我が子の「性」への対応、
大丈夫ですか!?



性教育教材としてニュースで紹介!




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2016年3月14日月曜日

弁護士、警察、医師向けにSNS講演

「子どもとメディア」をテーマに講演を務めた。
東京都内の人権擁護委員研修会にて。

子ども向けメディアと人権の
3大問題である
・男女共同参画
・暴力表現
・リベンジポルノ
について、
ネット・SNSや学術研究の観点も踏まえながら
お話させて頂いた。

人権擁護委員にはベテランの弁護士さんも多く、
若者のメディア利用の実態などを
興味深くお聞き下さった模様。

また、
その前日には栃木県鹿沼市へ
(この週はまさかの4日連続講演でありました)。

鹿沼地区歯科医師警察連絡会の主催で
「深刻化するネットいじめ~その現状と大人の役割」
を講演。

この地区では20年以上前から、
歯科医師と警察が捜査や身元確認などで連携し、
相互研修を行っているという。

講演には、
歯科医師、警察官(主に刑事)、歯科衛生士、
教育委員会関係者並びに
市内公立小中学校校長、行政関係者(特に保健福祉部等)の
皆さまが参加された。

ちなみに
歯科医師の方々が学校の歯科検診に出向き、
歯の手入れがされていない子どもの素行を先生に尋ねると、
「いじめっ子」か「いじめられっ子」であることが多いらしい。

家庭で構ってもらっていない子どもは、
いじめの加害者にも被害者にもなる可能性が高い、
という傾向を表していよう。

歯は雄弁なり。



【参考文献】

http://www.amazon.co.jp/dp/4335551754/
『リベンジポルノ
~性を拡散される若者たち』


■著者インタビュー記事はこちら

■『法学セミナー』3月号に書評掲載

「リベンジポルノなんて、
撮らせる人間が悪いんじゃないの?」

そう思うあなたは、是非どうぞ。







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2016年3月8日火曜日

『オトナのメディア・リテラシー』復刊出版社を募集!

拙著
『オトナのメディア・リテラシー』(リベルタ出版)は
お陰様でご好評を頂き、
ついに、ほぼ売り切れとなった。

嬉しい悲鳴なのだが、
ここで1つ問題が生じている。
版元は諸事情により、
増刷する体力がなくなっておられるのだ。

そこで、
版元とは出版契約を終了させて頂くこととし、
この場で新たに、
本書の復刊を担当下さる出版社を募集したい。

『オトナのメディア・リテラシー』は
元テレビ局報道記者である私が、
自らの現場体験と、
メディア・リテラシー先進国のカナダで研究した内容を基に、
広告、テレビ、新聞、映画、インターネットなどの裏に隠された
「作り手の意図」を読み解くノウハウをお伝えするものだ。

現代社会にあふれる情報を自分の頭で判断したい方々に、
メディアとの付き合い方をしっかり身につけてもらいたい、
との願いを込めている。

読者の皆さまからは
「知らないうちに洗脳されていた自分に気付いた」
「メディアの見方が180度変わった」
などと感想を頂き、嬉しく思う。

また、
本書は複数の大学で講義テキストとして使われる他、
大学の入試問題に採用されたり
小論文模試で出題されたりもしており、
「10代の若者にもわかりやすい」と評価されているものと
(チョッピリ)自負している。

私の講演会における販売サイン会でも
多くの方にお求め頂いてきたが、
最近は上述の理由により品切れとなっており、
大変申し訳ない。

つきましては、
「わが社こそ
『オトナのメディア・リテラシー』を復刊させたい!」
と熱意をお持ち下さる出版社の方、
お気軽にご連絡下さいませ☆


【渡辺真由子の最新刊】

http://www.amazon.co.jp/dp/4335551754/
『リベンジポルノ
~性を拡散される若者たち』


■著者インタビュー記事

■『法学セミナー』3月号に書評掲載

「リベンジポルノなんて、
撮らせる人間が悪いんじゃないの?」

そう思うあなたは、是非どうぞ。







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